電気電子工学科学科長あいさつ
2024年度より、学科長を拝命いたしました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
私は学位を取得後、民間企業の研究所での博士研究員などを経て、大学にもどってまいりました。名城大学には2018年に着任し、電子生命情報分野所属となっております。これまでの研究活動の中で、電気電子工学だけではなく、機械工学、マイクロデバイス工学、ナノバイオテクノロジー、ライフサイエンス等の分野で研究を積み重ねてまいりました。このような多様な分野における経験をもとに、現在、融合領域の研究を推進しております。融合研究の面白さは、異なる分野の研究者が集まり、それぞれの研究の知見を出し合って、新しい研究領域を創りだすことにあると思います。
始めは、お互いに何を言っているのか分からないこともありますが、十分な議論によって、お互いを理解していく過程も面白いです。
名城大学電気電子工学科では、この3月に漸くこれまでと同じように学位記授与式を実施いたしました。授与式に参加する学生諸君の顔はとても晴れやかであり、新しい世界に向かって羽ばたいていく自信に満ち溢れていたと思います。続く祝賀会でも多くの学生や教員が参加し、大変賑やかなものとなりました。その一方で、2024年3月末をもって、都竹愛一郎教授、中條渉教授のお二人の先生が定年でご退職となりました。長年に渡る学生への教育指導、研究活動に、この場をお借りして改めて感謝の意を表させていただきたく存じます。
さて、数年続いたコロナ禍は大変なもので、大きな社会変革がありました。大学では十数年前では考えられなかったようなインターネットによる授業の配信が凄まじい勢いで進んでいきましたし、会議などもその場に行くことなく、リモートで済むようになりました。インターネットなどを使えば、ある目的を達成するために必要な情報を速やかに集めることができる一方で、それ以外の情報が入ってきにくくなり、思い込みで視野を狭くしてしまう側面があったのを否めないように感じています。
今や世の中は新しいフェーズに移ってきています。電気会の皆様OB、OGの方々にとっては元のように戻るだけかもしれませんが、新しく入学してくる学生や、新しく入社してくる社会人にとっては、未知の世界と写るやもしれません。いわゆる『現地・現物』に触れて知見を重ね、対面でのコミュニケーションによって相互理解を十分に深め、そして、視野を広げていく。入ってくる側、受け入れる側、双方ともに充実した大学生活や社会人生活が進んでいくことを祈念しています。